足場の組立て等作業従事者特別教育って何を学ぶの? 足場の役割から徹底解説!

皆さん、こんにちは。

埼玉県白岡市を拠点に、東京都、千葉県で足場工事などを手掛けている株式会社トラストです。


高所作業が中心である足場工事は、多くの危険を伴う作業です。また、足場に不備があると、その足場を使って作業する他業種の職人も危険に巻き込まれてしまいます。労働災害を防ぐためにも、足場工は安全に関する知識をしっかりと身につけておかなければなりません。


そのための資格が「足場の組立て等作業従事者特別教育(足場特別教育)」です。ここでは足場の役割や足場工事の手順、足場特別教育の内容や受講方法について解説します。




■足場の役割



建設業における足場とは、高所作業を行う際に作業員が足を乗せるための設備のことです。建設工事は、足場を設置しなければ始まらないといっても過言ではありません。


頑丈な足場があれば、作業員の足元は安定し、安全性が確保されます。そのため、転落や工具の落下といった事故を予防することができます。また、足場の存在は作業効率の向上にもつながります。足元がしっかりしていれば、作業員は高所での作業に集中でき、工事をスムーズに進めることができるからです。


さらに、作業に集中できるようになれば、結果として工事の品質も向上するでしょう。加えて、足場に飛散防止ネットを設置することで、工事中に発生する粉塵やニオイの飛散防止にもなります。


ただし、どんな足場でもいいわけではありません。建設現場で使用される足場は、「労働安全衛生規則」に準拠したものを設置する必要があります。作業床の幅から手すりの高さまで厳密に規定されており、これらのルールを守らなければ、安全な足場とはいえません。足場を設置する際には、規則を遵守した安全な足場を作ることが何よりも重要です。


そして、建物が完成すると足場は役目を終え、解体・撤去されます。このように、足場は一時的な設備ですが、建設現場においては必要不可欠な存在です。足場の組立や解体を手掛ける足場工は、建設工事に最初から最後まで関与し、現場の安全性や作業効率の向上に貢献しています。




■足場工事の仕事の流れ



安全で作業しやすい足場を作るためには、正しい手順で工事を進める必要があります。足場工事の基本的な流れをご紹介します。



・必要な資材の種類や数量を決める


まずは準備として、組み立てる足場の形状や規模を想定し、足場に必要な資材の種類や数量を計算します。これが正確にできていないと資材が足りなくなって作業に支障をきたしたり、工期内に完成しなかったりするのです。


逆に、資材が多すぎても現場までの輸送費が余計にかかり、無駄な組立や解体による人件費もかかってしまいます。そして最もあってはならないのが、少ない資材で足場を作ったために手摺や踏板が不足し、落下事故につながってしまうケースです。


このようなトラブルを防ぎ、適切な足場を組み立てるためにも、足場の面積や必要な資材の計算方法に関する知識はしっかりと身につける必要があります。「とび技能士」という国家資格では、これらの計算に関するスキルも認定されるので、将来の取得を目指すといいでしょう。



・足場を組み立てる


事前に必要な資材を用意しておき、施工当日は現場で足場を組み立てます。一般的な流れとしては、まず固定ジャッキにアンダーベースを取り付け、所定の位置に置いていきます。


続いて根がらみ支柱を固定ジャッキに挿し、根がらみ支柱に手摺を挿していきますが、ここでは手摺が水平になっているかどうか確認する作業が必須です。なぜなら、足場が少しでも傾いていると作業に支障をきたし、最悪足場が倒壊する恐れがあるからです。そのため、目視で平らに見えたとしても、毎回必ず水平器を使って確認します。


すべての根がらみ支柱に手摺を挿して水平を確認したら、支柱→斜材→先行手摺→踏板→階段→手摺といった順番で資材を取り付けます。1層目が終わったら2層目、3層目と同じ手順で組み立てていき、最終的に図面通りできたことを確認したら完成です。



・足場を解体する


建物の工事が終わったら、役目を終えた足場を解体します。1番上の層から、手摺→先行手摺→階段→踏板→支柱と、組立とは逆の順番で解体していくのが基本です。組立も解体も、作業中は必ず墜落制止用器具(安全帯)を取り付け、安全第一で行います。最後は資材をすべて片付けて現場を清掃し、何も残っていないことを確認して作業完了です。


なお、一口に足場といってもいろいろな種類があり、現場に応じて使い分ける必要があります。もちろん、足場の種類によって組立や解体の手順、使われる資材なども変わってきます。足場の種類についてはこちらの記事をご覧ください。


https://www.trust-confi.jp/blog/company/153209




■足場の組立て等作業従事者特別教育とは?



足場は建設現場に必要不可欠な設備ですが、足場の組立自体が危険を伴う高所作業です。実際に転落・墜落事故や、組立の不備による足場の倒壊といった労働災害は数多く発生しています。


このようなトラブルを防ぎ、安全な足場を作るためにも、足場工事に従事する作業員は十分な知識を身につけていなければなりません。そのための資格が「足場の組立て等作業従事者特別教育(足場特別教育)」です。


平成27年(2015年)7月1日から、足場の組立・解体・変更に関わる業務に従事する人全員に、足場特別教育の受講が義務付けられています。つまり、足場特別教育を受講し修了しなければ、足場工事に携わること自体ができないのです。


つり足場と張出し足場を除き、足場の高さには規定が設けられていないので、どれだけ低い足場であったとしても、「足場」の工事をするなら受講する必要があります。ただし、地上や床上における足場材の運搬・整理といった補助作業は、この資格を持っていない人でも従事することが可能です。


なお、混同されやすい資格に「足場の組立て等作業主任者技能講習」があります。足場の組立て等作業主任者は、労働災害の防止などを目的として、足場工事の現場を指揮監督するために必要な資格です。


すでに足場の組立て等作業主任者の資格を持っている人は、足場特別教育を受講する必要はありません。足場の組立て等作業主任者は、実質的に足場特別教育の上位資格です。足場工事に3年以上従事すると、技能講習の受講資格を得られます。足場工としてキャリアアップするためには必須の資格なので、将来的に取得するといいでしょう。




■足場の組立て等作業従事者特別教育の内容と受講方法



足場の組立て等作業従事者特別教育では、指定されている科目の講習を規定時間受ける必要があります。科目は学科のみで実技はありません。科目とそれぞれの講義時間は以下の通りです。


足場及び作業の方法に関する知識…3時間

工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識…30分

労働災害の防止に関する知識…1時間30分

関連法令…1時間

合計…6時間


最後に簡単な確認テストが行われる場合もありますが、あくまでも講義をしっかり聞いているか確認を取るのが目的で、合格しないと資格を取得できないというものではありません。講義が終了すると修了証が発行され、資格取得となります。


受講費用は講習を開催している団体などによって異なりますが、テキスト代込みで1万円前後が相場です。「建設事業主等に対する助成金」の対象になっているため、条件を満たす企業は申請すれば助成金を受け取れます。


また、足場特別教育に受講資格はありません。実務経験がない方でも受講可能です。ただし、年少者労働基準規則により、18歳未満の方は足場の組立等の業務に就くことが禁止されています。希望すれば18歳未満でも足場特別教育を受講できますが、18歳になるまでは修了証が発行されない点に注意が必要です。


なお、講習会はさまざまな団体が開催しており、「建設業労働災害防止協会の各都道府県支部」「労働技能講習協会」「Web講座」などで受講することができます。建設業労働災害防止協会(建災防)は、厚生労働省所管の特別民間法人で、受講費用が安いのがメリットです。勤務先の会社が会員になっていると、受講費用が割引になります。


また、労働技能講習協会は、特に小規模事業所における労働災害防止を目的とし、各種講習を開催している一般法人です。企業への出張講習を行っているため、勤務先で足場特別教育の講習が開催されるなら、参加するといいでしょう。


そしてWeb講座は、インターネット上で行うオンライン講座です。日時や場所を選ばずに受講できるので、仕事で忙しく講習会に足を運べない方でも、空いた時間を利用して効率よく受講することができます。それに加え、講義の内容を聞き逃しても何度でも聞き直しができるため、理解できるまでしっかりと知識を学べるのも魅力です。実施している団体としては「SAT」や「建設不動産総合研修センター」などがあります。


どの方法で受講したとしても、科目の内容や時間に違いはありません。最も都合のいい方法を選んで受講するのがおすすめです。




■足場の組立て等作業従事者特別教育を受講せずに作業するのは違法です!



前述した通り、足場の組立・解体・変更などの作業に従事する人には、足場の組立て等作業従事者特別教育の受講が義務付けられています。つまり、足場特別教育を受講せずに足場工事を行うのは違法行為です。


平成27年7月1日~平成29年6月30日までは猶予期間が設けられていましたが、現在すでに猶予期間は終了しており、労働基準監督署による臨検などの取締りの対象になっています。違反した場合、労働安全衛生法第119条に基づき、懲役6ヶ月以下もしくは50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。作業者だけでなく、使用者や現場責任者も対象です。


また、足場特別教育を受講していない人がいる現場で労働災害が発生した場合は、労働災害保険が適用されない可能性もあります。そうなれば被害にあった作業員の復帰が難しくなり、会社も経済的な損失を被るでしょう。工事を依頼する側も、作業員に足場特別教育を受講させていない会社を避けるため、事故以前に仕事の獲得が難しくなります。


そして何より、現場の作業員が危険にさらされるようなことはあってはなりません。そのため足場工として働く時は、足場特別教育の受講をはじめ、法律を守り安全対策に力を入れている会社を選ぶことが大切です。


それに加え、資格取得支援制度がある会社なら、足場特別教育の受講費など、資格の取得にかかる費用を会社が負担してくれます。就職先を選ぶ時は、このようなポイントにも目を向けてみましょう。




■まとめ


足場の組立て等作業従事者特別教育は、足場工として働くなら必ず取得しなければならない資格です。修了しないと足場工事ができないのはもちろんですが、労働災害を防ぎ安全に工事を進めるためにも、安全対策に関する知識は確実に身につけておく必要があります。


現場の安全確保は、足場工事において何よりも優先されなければならない目標です。正しい知識を身につけ、足場工としてステップアップする下地を作りましょう。


トラストでは、現場作業員として働いてくれる方を募集しております。足場特別教育の受講をはじめ、未経験者でも安心・安全に仕事ができる体制を整備しておりますので、自身のキャリアステージに合わせた働き方が可能です。


募集にあたって、学歴や経験、資格、性別などは一切問いません。足場工事に興味のある方でしたら、どなたでも大歓迎です。資格の取得にかかる費用は会社が全額負担し、従業員のキャリアアップを全力で支援しています。もちろん、経験者や資格保有者は優遇いたします。


さらに、福利厚生や各種手当も充実。日曜祝日は休みで残業はほとんどなく、ワークライフバランスの取れた働き方ができます。仕事ぶりはしっかり評価しますので、がんばり次第でどんどん昇給可能です。足場工としてスキルを磨き、社会を支える仕事をしてみませんか? 興味のある方はお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。


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